スマホが普及し、カメラが安価になり、誰でもSNSに投稿できるようになった。「写真を撮る」ことが「文を書く」よりも敷居の低い時代でもある。流通する写真の量が莫大に増えて、その中で埋もれないように、恥ずかしくないように、褒められるようにと、人々は「映える写真」を求めるようにもなってきた。「見栄えの良い写真を撮る方法」や「カメラを上手に扱う方法」は、本にもネットにもたくさんある。しかし、技術的な正解をなぞった写真は無個性で、映える写真には特徴がないので、すぐに飽きられる。結果として「誰の目にも止まらない写真があふれている」のが今ではないか。「そもそも自分は何を撮りたいと思っているのか。自分にしか撮れないいい写真とは何か。それを撮れるようになるまでにはどんな壁があり、それらをどう乗り越え、どんな景色が見えるようになるのか」、本タイトルでは写真家であり、アートディレクターでもあるワタナベさんにこれらを語っていただく。
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