哲学者であり、かつ現実の社会の問題に哲学的な考察を試みる國分功一郎さん。『暇と退屈の倫理学』では、人間が退屈することから、人間の生の営みを示したが、新刊の『目的への抵抗』ではコロナ禍で抑制された社会における、我々の自由をテーマにしている。つまり、不要不急の外出を控えるという言葉において、人間にとって何が無駄だと定義するのか?そして、外出を控えるという行為は、移動の自由を制限することであり、それは人間の歴史において、実は根本的な主体性の否定につながるなどである。近代社会は、人間に「目的」を求め、それがない行為を無意味という価値を与えるが、本来の自由とは目的を超えたものであるという。本タイトルでは、そんな國分さんに自由と目的の相容れない関係について語っていただく。
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